岩井俊二監督の『リップヴァンウィンクルの花嫁』観ました。
いやーすごい。
元々自分は岩井さんの大ファンであるから最高に楽しめるだろうことは観る前から必然だったんですけど、なんていうか五感を揺さぶられるというか。
映画を観てると「面白いな」とか「参りました」とかみたいに感心する作品に出会うことがあるんですけどその次元をあっさり超えていった。
一言でいうとロック?みたいなレベル?
誰かが「身体中の血が入れ替わった感じ」と評していたけれでも。そういう感覚。
もうね劇中は何度も泣いたし観終わった後の多幸感ったらない。
構成はざっくり書くと前半後半又は3パートに分かれると思う。
前半は胃が痛い場面がずーっとずーっと続く。
現在社会に対する痛烈な皮肉。新旧の対決。そんなとこ。
後半は2パート。ファンタジーとエピローグ。
ファンタジー。そう岩井監督っていうのは「リアルなファンタジー」を撮らせたら世界一だと思ってるんです。
「花とアリス」とか最高のファンタジーじゃん。
フィルム全体のテーマとして見ると、真実とは何か価値とは何かってことで。
公開時期が時期なので最初は新社会人へのメッセージもあるかなと思った。
「今しかない黒木華の記録」とも感じた。
黒木華は「すごいなー」って漠然と感じていたんだけど、いやこの人すごい。
岩井さんが「文学的な香りのする女優」って表現していたみたいだけど。すごく分かる……
序盤の表情と終盤の表情の差が嫌みなく自然に出せるんですよね。この人。
だから皆川七海の成長奇譚にきちんと見えるしもっと言えば実際に黒木華がこういう経験をしていたんじゃないかとすら見えてしまう才能があるように感じました。
関係ないですけどずっと「くろきはな」だと思ってました。ゴメンナサイ。
役者さんはどの方も良い味を出しているんですけどCoccoすごいよ。
90年代JPOP直撃世代なら"あの"Coccoってだけで衝撃度は分かると思う。
自分は当時から「女優とかやらないのかな」っていうのと「線が細くて『境界』で生きてそうな人だな」って印象があったんですよね。
そのイメージが今作で最大限に生かされている。
あのロックっぷりは並の女優では出せないかも。
クラゲのシーンやベッドシーンも最高なんですけどウェディングドレスを着ての写真撮影。これ細いんだ。可哀想なぐらい。もうね。この3つのシーンはボロボロ泣いてました。
あと部屋決めるシーンでも泣いてた。
あっあとラストでも泣いた。
相互依存って形なのでマリみてとかSHIZUKAの作品とかなぜか思い出した。
なんでだろう。
カットの話をするなら前半はテクニックを見せつけられるカットの連続でした。
レイアウトと編集の上手さはホント感心。ナメのレイアウトとか溜息出ますね。
それと小物の配置とかお見事。
中盤はお得意(?)の展開。
「女の子2人」というシーン撮らせたら世界一かも。
黒木華のメイドもすごいんですよね。選ぶ衣装も「それ選ぶかー」ってやつだし裸足で寝てるシーンとかCoccoと絡むシーンとかフェチ性の極致ばかりズバズバ突いてくるから脳汁出まくりです。
ベッドで二人が絡むシーン。台詞も含めて美しすぎて永遠に続くかのような錯覚にとらわれつつずっと続いてそのまま死んでもいいかなって思うぐらい最高に凝縮したシーンに感じられたんですが、あのシーン。リハ時点で1発OKが出て本番なしだったみたいですね。納得。すごいもん。あのシーン。あのシーンを観れただけですべての人に感謝したくなるもん。ありがとうって。自分を生かしてくれてありがとうって。
冒頭の池袋のサンシャイン通り(間違ってるかも)での待ち合わせシーンでもう「ああああ」ってなるんですね。だって今フィルムに映っている場所で自分が映画を観ているんだもの。
これは岩井さんの巧さだと思うけどこういうシーンの連続が「リアル感」を生み出し、ファンタジー作品にありがちな安っぽさを消すと思うんです。
「大きな嘘。小さな真実」的な(違う?)
最期に黒バックで「リップヴァンウィンクルの花嫁」って出てくるの最高なんですよね。
「あっ」ってなった。
で、「リップヴァンウィンクルってどういう意味だっけ?」って調べてまた
「あっ」ってなる。
大切なのは家族でも社会でも常識でも真実でもない。
自分の価値を認めてくれる自分が価値を認められる相手に出会うこと。
いやーすごい。
元々自分は岩井さんの大ファンであるから最高に楽しめるだろうことは観る前から必然だったんですけど、なんていうか五感を揺さぶられるというか。
映画を観てると「面白いな」とか「参りました」とかみたいに感心する作品に出会うことがあるんですけどその次元をあっさり超えていった。
一言でいうとロック?みたいなレベル?
誰かが「身体中の血が入れ替わった感じ」と評していたけれでも。そういう感覚。
もうね劇中は何度も泣いたし観終わった後の多幸感ったらない。
構成はざっくり書くと前半後半又は3パートに分かれると思う。
前半は胃が痛い場面がずーっとずーっと続く。
現在社会に対する痛烈な皮肉。新旧の対決。そんなとこ。
後半は2パート。ファンタジーとエピローグ。
ファンタジー。そう岩井監督っていうのは「リアルなファンタジー」を撮らせたら世界一だと思ってるんです。
「花とアリス」とか最高のファンタジーじゃん。
フィルム全体のテーマとして見ると、真実とは何か価値とは何かってことで。
公開時期が時期なので最初は新社会人へのメッセージもあるかなと思った。
「今しかない黒木華の記録」とも感じた。
黒木華は「すごいなー」って漠然と感じていたんだけど、いやこの人すごい。
岩井さんが「文学的な香りのする女優」って表現していたみたいだけど。すごく分かる……
序盤の表情と終盤の表情の差が嫌みなく自然に出せるんですよね。この人。
だから皆川七海の成長奇譚にきちんと見えるしもっと言えば実際に黒木華がこういう経験をしていたんじゃないかとすら見えてしまう才能があるように感じました。
関係ないですけどずっと「くろきはな」だと思ってました。ゴメンナサイ。
役者さんはどの方も良い味を出しているんですけどCoccoすごいよ。
90年代JPOP直撃世代なら"あの"Coccoってだけで衝撃度は分かると思う。
自分は当時から「女優とかやらないのかな」っていうのと「線が細くて『境界』で生きてそうな人だな」って印象があったんですよね。
そのイメージが今作で最大限に生かされている。
あのロックっぷりは並の女優では出せないかも。
クラゲのシーンやベッドシーンも最高なんですけどウェディングドレスを着ての写真撮影。これ細いんだ。可哀想なぐらい。もうね。この3つのシーンはボロボロ泣いてました。
あと部屋決めるシーンでも泣いてた。
あっあとラストでも泣いた。
相互依存って形なのでマリみてとかSHIZUKAの作品とかなぜか思い出した。
なんでだろう。
カットの話をするなら前半はテクニックを見せつけられるカットの連続でした。
レイアウトと編集の上手さはホント感心。ナメのレイアウトとか溜息出ますね。
それと小物の配置とかお見事。
中盤はお得意(?)の展開。
「女の子2人」というシーン撮らせたら世界一かも。
黒木華のメイドもすごいんですよね。選ぶ衣装も「それ選ぶかー」ってやつだし裸足で寝てるシーンとかCoccoと絡むシーンとかフェチ性の極致ばかりズバズバ突いてくるから脳汁出まくりです。
ベッドで二人が絡むシーン。台詞も含めて美しすぎて永遠に続くかのような錯覚にとらわれつつずっと続いてそのまま死んでもいいかなって思うぐらい最高に凝縮したシーンに感じられたんですが、あのシーン。リハ時点で1発OKが出て本番なしだったみたいですね。納得。すごいもん。あのシーン。あのシーンを観れただけですべての人に感謝したくなるもん。ありがとうって。自分を生かしてくれてありがとうって。
冒頭の池袋のサンシャイン通り(間違ってるかも)での待ち合わせシーンでもう「ああああ」ってなるんですね。だって今フィルムに映っている場所で自分が映画を観ているんだもの。
これは岩井さんの巧さだと思うけどこういうシーンの連続が「リアル感」を生み出し、ファンタジー作品にありがちな安っぽさを消すと思うんです。
「大きな嘘。小さな真実」的な(違う?)
最期に黒バックで「リップヴァンウィンクルの花嫁」って出てくるの最高なんですよね。
「あっ」ってなった。
で、「リップヴァンウィンクルってどういう意味だっけ?」って調べてまた
「あっ」ってなる。
大切なのは家族でも社会でも常識でも真実でもない。
自分の価値を認めてくれる自分が価値を認められる相手に出会うこと。
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